都内 積雪!!
東北の人たちが見たら鼻で笑うでしょうが、都内積雪の怖さは積雪自体よりもそれによって引き起こされる交通の混乱にあるわけで。
ちょっと舐めて家を出てしまった。スニーカーを履いていったのは唯一の褒められる点。
まあ15時くらいで帰らせてくれるかな~
これだけ朝から警報出てるし~
とか思ってたんだけど、そんな気配は一切なく定時まではしっかり働いてきた
大した仕事なかったんだけどさ。サラリーマンだからさ。悲しいね
やだ・・・電車ぎゅうぎゅうじゃん。
などと思っていたころはまだ余裕であった。待てば一応乗り込めたし。
しかし乗り換え駅ではホームに人が溢れ、なんとか行き着いたホームでは電車が来ても30センチずつしか前に進めない。
さらに電車は遅延に遅延を重ね、駅ホームはまるで満員電車の中。上からは雪降ってるのに。
「あっ、これ帰れないやつ」
念のため、バス乗り場を覗くもバス待ち列ははるか後方にあり終わりが見えない。タクシーは言うまでもなし。
「やるしかない、ないのか・・・?この雪の中??」
しばらく悩んだものの一向にやってこない電車と、迫りつつある尿意に押し出されグーグルマップを開いたのだった。
幸いにも電池残量は十分。なんならモバイルバッテリーもある。検索で出てきた徒歩ルートは40分程度とされていた。
背中を押したのは同じように電車に乗るのを諦め、徒歩ルートに切り替えようとしている見知らぬ人たちだった。途中まではこの人たちについていけば行ける。
外は吹雪いていた。風が強く、傘は折り畳み傘のためひ弱な骨組みでいかにも壊れそう。
早くも心挫けそう。が、尿意が急げと告げていた。一時間なら耐えられる。
付いていこうと思っていた人たちは歩行速度が遅すぎてすぐに抜いてしまった。
風が強く傘を持つ手はかじかみ、だんだんと感覚がなくなる。傘を閉じてしまえばと思うが横風と雪が顔にかからないだけで随分楽になるため傘は手放さなかった。
強風に髪の毛は荒れ狂いちょっとドラマチック。が、邪魔で仕方ないので道に傘を置いて輪ゴムで結ぶ。持っててよかった。傘はずるずると風に流されていきそうになっていた。
大通りへ出るまでの道では車は通っていなかった。道路に書かれている白線はすでに見えず、どこまでが道路なのか判別付かない。ぽつぽつと同じ方向へ歩いている人たちが見える。果たしてあれについて行っていいのか、というかついていったら死んでるやつじゃないのか。
夢を見ているみたいな風景に現実を見失いそうになる。
途中、居酒屋の光に正気を取り戻す。私もあそこに入って電車が動くまでぬくぬくで酒飲みてぇ~
もちろん酒なんか飲んだら帰れなくなることは間違いないので楽しそうな人たちを横目に通り過ぎる。
大通りに出ても車は少なかった。ゴリゴリとチェーンの音をさせる車が通り過ぎてゆく。
人が踏みしめて歩いた雪は少し硬く滑りやすくなっている。坂では何度かこけそうになった。自分がこけないように、前を歩く人たちがこけないように祈りながらがに股で歩く。ここで骨折などしては大変だから恰好わるいのなんて気にならない。そんな余裕はもはやない。
途中、バイト帰りらしい高校生か大学生たちがいた。歌いながら歩いていた。楽しそうな人の声を有難いような気持ちで聞いた。心細いと人の声に励まされる。
また途中、歩いている人に道を聞いている人がいた。
方向音痴なのによく道を聞かれる私はどきりとしたが、尋ねられることはなかった。道はわかったんだろうか?
聞かれてもわたしも自分が歩いている道が正しいのか確証はなかったけど。
歩き続け、グーグルマップでの半分地点を過ぎたがもし道が違っていたらどうしようとずっと思っていた。
交番を見つけたときはほっとした。
マップにも交番が出ていたから、歩いている道が正しいと確信して聞くことはなかったけど。
このまま行ったら知っている道に出るはず、という道に出るも雪に埋もれて知っている道なのかいまいち判別つかない。
ほとんど人がいなくなった道をざくざくと歩く。
と、知っている店が急に出てくる。
こ、ここはヤンキー店主のいる洋食屋!(味は普通)
無暗に洋食屋に感謝をしながら道を歩くのだった・・・
近所のコンビニに寄ったら自分だけ雪まみれでちょっと恥ずかしかった。
もうね、帰宅後はヘトヘトな上寒さで震えが止まらなかったわよ。
しかしやり遂げたという達成感があった。トイレにも間に合ったし。
もうやりたくないけどな。
さて、同じように雪で困った方はお疲れ様です。
もう明日は休んじゃいたいね!(できるとは言ってない)